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日産R32 スカイラインGT-R オールペン

2024.08.29 by haishima

埼玉県さいたま市の日産R32 スカイラインGT-R様よりオールペン(全塗装)のご依頼でした。なかなか入手する事が難しい希少なお車、正に垂涎もののスーパーカーですね。

全体的に補修歴があり、塗膜の劣化やご自分で補修した箇所などがありますが、年式から考えますと状態はかなり良い方だと思いました。

オールペンはレストアとは違いあくまでも表面的な補修塗装になりますので、元の状態があまりに酷すぎると残念ながらお受けできない事も多々あるのですが、このGTRは外装を補修塗装すればかなり綺麗にすることができると初見で感じました。

ただ、もちろん経年劣化は所々に影響しておりまして、特に補修箇所についてはかなり重症な状態でしたのでかなり手間のかかる作業となりました。

左リヤのマッドガードを外したところ、内側が錆びてすっかりパネルが欠損しておりました(-_-;) 更に右リヤクオーターパネルもリヤバンパーを外すと内側が錆びており、こちらも同様にパネルがすっかり欠損している状態でした。下部の錆は事前に確認しておりましたが、この部品を外した内側の大きなパネルの欠損は事前に気が付きませんでしたので、この段階で再度お客様にご来店いただき、この状況を説明した上でこの部分の補修にかかる費用が別途必要になることをご理解いただき作業を進めさせていただくことになりました。

一部に網のようなものが見えていますので、おそらく錆の補修をこの網とパテで行った様で、簡易補修の弊害がより酷くなってこのような状態に至ったと思われます。

錆びた部分をネットとパテでパッと見の修理はしたものの、錆の原因を放置したままなので、時間の経過とともに同じように錆びてしまったという事で、クオーターパネルの内側の補修痕を見ても防錆処理を全く行っていないので、これでは錆びるだろうな。。。という内容でした。

早速修理に入ります。まずは左リヤクオーターパネルのマッドガードの内側の修理です。修理といっても錆のひどい部分をカットして、同じような形状にカットした新しい鋼板を溶接していきます。

一般的に錆の修理といったら、程度にもよりますがこのようにカット交換するしか手段がないと思います。パテとサフェーサーは痩せにくいUVタイプのパテサフを使用しています。

右のリヤクオーターパネルの錆修理の写真です。こちらも錆のひどい部分をカットして交換いたしました。補修跡が広すぎて全て交換するとパネル全部の交換が必要になりますので、最小限の範囲のみカット交換で対応いたしました。

剥がした鋼板にもネットが貼ってありパテで固められていましたので、錆でボロボロになった部分にパテだけでは強度が足りないため、ネットを貼付けしてパテ成型でパッと見の補修を実施した跡があります。あくまで想像ですが、中古車の仕上げなどに使用される方法なのかもしれませんが、やはり安い修理にはそれなりの理由があることを証明しています。

錆の修理には黒錆に転換する作業が必須となり、その後に防錆処理を完璧に行うことが必要です。

錆は表面に見える部分の約3倍の大きさで中では進行しているといわれます。それぐらい錆の補修は難しいものですので、錆の放置は車にとって良くないのはもちろんのこと、修理を依頼する工場の選択もとても重要になります。

実際にはこの2か所以外にも錆が進行している部分もありましたので、この年式のお車であればこの程度の錆は発生している可能性があるという事なので、これからも永く大切に乗りたい方にとっては錆の補修は早め早めに検討されることをお勧めします。

一気に作業が進んでいますが、実際にはここまで作業を進めるのはかなり大変です。外装部品を全て分解し、細かい板金作業を行ないそれぞれ下地作業を完成させます。経年車ですからかなり汚れもたまっているので、この状態で2回目の洗車を行ない塗装準備に入りました。下地用塗料のサフェーサの塗装でも綺麗に塗装することで上塗りのレベルを上げることができます。

ここまでくると完成のイメージがしやすくなるので少し楽しみながら仕事ができるようになります。

ちなみに当店ではオールペンはもちろんの事、通常の補修塗装で塗装ブースを使用する際にも必ずブース内を洗浄しています。モップと掃除機を使用してなるべく埃が付着しないような塗装環境で塗装できるように努めています。又、当店の塗装ブース内の白い壁にはベタベタする特殊な材料を塗装してあり、小さな埃なども付着して浮遊しないような工夫をしています。

サフェーサーを塗装したら高温で焼き付け乾燥を行い、ブースから出して全面を丁寧に研磨してから再度洗車して綺麗な状態にしてからいよいよ待ちに待った上塗りの塗装準備となります。

まずはパーツから塗装いたしました。ボンネットなどの外板はもちろんこと、バンパーなども塗膜の劣化と補修歴がありましたのでサフェーサーを塗装してからの上塗り塗装を行っています。

今回は白のソリッドカラーのツーコートタイプのクリヤー仕上げなので、パール塗装の時の様に車に取り付けして塗装しなくて済むので、その点はとても助かりました。

バンパーなどのパーツ塗装は塗り込みがとても難しいのです。というのも形状が複雑でクリヤーをしっかりと塗り込むことが難しいからです。

塗り込みすぎるとクリヤーが垂れてしまうし、それを怖がって塗り込みが甘くなるとザラザラになります。常に理想は一切磨かなくても仕上がるような塗膜を目指してはいますが、それがなかなか難しく現実には磨き作業が欠かせません(-_-;)

しかし、緊張しながらも慎重に塗装して綺麗に塗装する事が事が出来ました。このまま高温でしっかり焼き付け乾燥を行いパーツの塗装は完了です。

そしていよいよボデーの塗装でクライマックスを迎えます。このボデーの塗装準備をしている段階である程度達成感も感じ始めている頃です(笑)

この上塗りで仕上がりが決まりますので、緊張感はMAXとなるのですが、これまで何度も経験してはおりますが、やはり今回も大変緊張しながらの塗装となりました。

やはり目指しているのは新車のような塗装であり、ホコリも一切付着しない完璧な仕上がりですので、毎度毎度全力で挑んでいるためその緊張感も半端ないものがあります。

塗装作業は塗装面積が大きくなるほど均一な塗り肌を作るのが難しく、塗装時間も長くなるため集中力の持続がとても苦しく、まるで厳しいスポーツをしている感覚になります。ただ、その分完成した時の喜びや達成感も大きく感じることができます。本当にスポーツの様です。

そして、この後は高温で焼き付け乾燥を行い磨き作業となります。

目指しているのは塗装だけで新車の塗膜なのですが、残念ながらやはり磨き作業は必要です。

これだけ清掃を徹底しても細かいホコリは付着してしまいますし、更に塗り肌も少し調整が必要な部分もあるのです。まだまだ修行が必要です。

磨きに関してはコーティングで培った技術を満遍なく活用し、研磨磨きから艶を出すための磨き作業を行ない綺麗に仕上げます。

最後に全ての部品を取り付けていきます。オールペンの際には同時に交換したほうが良いものが多く、劣化している部品を交換するチャンスでもあります。このGTRは部品が入荷したので良かったのですが、車によっては生産中止になる部品も多いため、オールペンを検討されるなら部品が入手できるうちに検討される事をお勧めします。

モール関連はほぼすべて交換し、樹脂パーツ等の劣化の激しいものも交換をお勧めしています。

ガラスコーティングで塗膜を保護して完成です。元々恰好の良いお車でしたが、輝きを増してGTRの魅力を存分に発揮している様に見えます。スカイラインと云えばやはり丸目のテールランプですよね。フロントも良い顔をしていますが、何といってもこのテールの姿が魅力的です。最近の車のような優しい感じではなく荒々しい感じがスポーツカーファンの心をグッとつかむのでしょう。

どうしても補修歴があるためにパネルのチリ合わせを完璧にすることはできませんでしたが、可能な限り調整して違和感のないように取付いたしました。塗膜の艶もご覧のように白でも濡れた様な艶に仕上がっています。

新車のレベルを目指してはいるものの、残念ながら新車には全く及びません。が、きっと気持ちよく長くお乗りいただけるレベルで仕上がっていると思います。

この度は数あるショップから当店をお選びいただきまして誠にありがとうございました。

感謝・報恩・貢献 お客様とのご縁に心より感謝申し上げます。

日産R32 スカイラインGT-Rのオールペン(全塗装)事故修理 保険修理 キズへこみの鈑金塗装修理は埼玉県さいたま市のドライバーズピットへ


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