2023.12.17 by haishima
埼玉県さいたま市の三菱ランサーエボリューション様よりオールペンとボディコーティングのご依頼です。オールペンするほど劣化しているわけではなく、とても綺麗に乗られている事が分かるお車でした。ではなぜ?オールペンをされるのかと云いますと。。。。。
ひょう害に遭ってしまったお車なのです。ここ数年関東を中心にひょう災害がとても多くなっていますよね。こちらのお車もそのうちの1台でして、貴重なお車がご覧の様に沢山の凹みが付いてしまいました。
地球環境の問題なのか?ひょう害はなかなか防ぎようがないので大変困った問題です。
という事で、ひょう害の修理のご依頼で鈑金塗装修理する事になったのですが、全面塗装する事になりますので、それなら色変えをしたいというご要望で当店にご依頼いただきました。
こちらは凹みを丁寧に板金した後の写真です。ひょう害修理の場合、全面をパテだらけにしてしまうショップさんがありますが、当店では可能な限りパテを使用することなく凹みを内側から押出して変形を丁寧に修正します。数が多いのでとても手間がかかるのですが、仕上がりは断然綺麗に仕上がります。
屋根を交換するショップさんが殆どですが、パテ無しで綺麗に復元できるのであれば、屋根の交換は車にとって負担が大きく、交換歴有となってしまうので、修理できる場合は当店は交換しておりません。ちなみにこの数年、ひょう害車輛のお車を何台もやらせていただきましたが、全て屋根はパテ無しで修復しています。
ただ、ボンネットは交換します。これはボルト4個で固定されているため交換が容易にできるからです。
鈑金作業が終わったら、塗装の際に邪魔になる部品を全て外して丁寧に洗車を行います。部品を外すと内側にかなりの汚れが溜まっているからで、これらを完全に除去しないと塗装時にブツなどのゴミが塗装面に付着してしまうのを防ぐためです。
ボディーを綺麗にできたらサフェーサー塗装の準備になります。完璧にマスキングをしないと室内が塗料だらけになりますので、慎重な作業が必要になります。
サフェーサーは厚塗りにならないように、薄く均一に塗装してガッチリ硬く硬化させることが重要です。塗装ブース内で塗装から焼き付けまで行いました。
サフェーサーの焼き付け乾燥後に表面を研磨していきます。この際は粗目のペーパーだとペーパーの目が残ってしまい、塗装後のトラブルになりますので、時間はかかりますが目の細かいペーパーを使用して丁寧に下地を作っていきます。その際に沢山の研磨した粉が発生しますので、再度丁寧に洗車を行っていよいよ上塗りの準備となります。
そして再度丁寧にマスキングを行いました。写真では分かりませんが、先ほどのサフェーサーの時のマスキングとは少し作業方法を変えています。あくまでも上塗り用として最適と思われるマスキングの方法を行っています。
いよいよ上塗り塗装となりました。今回の色はスーパーホワイトのクリヤー仕上げ塗装(ツーコートソリッドカラー)になりました。
真っ白に仕上げるため、ブツなどの埃がとても目立ってしまうため、とにかく慎重に慎重に塗装しました。
ちなみにオールペンの場合は事前にブースのフィルター交換とブース自体の洗浄を行ってから塗装します。それでもブツは多少ついてしまうのですが、可能な限り綺麗に仕上げたいので、当店では塗装環境の洗浄にも力を入れています。
白の場合光が反射してしまい、クリヤーの塗り肌が見えずらく塗り込みが大変難しい色です。体を斜めにしながら角度を色々変えてしっかりと塗り込み致しました。塗り込んだ状態でもかなり艶があるのがお分かりいただけると思います。
ボンネットは新品部品と交換ですので単体で塗装します。当店では新品部品にそのまま上塗りすることはなく、耐候性、耐紫外線、塗料の密着度を高めるために必ず下塗り用のサフェーサを塗装してから上塗り塗装を行っています。
前後バンパーやリヤスポイラー ドアノブなどの小部品もブース内で丁寧に塗装いたしました。バンパーやミラーなど小部品形状が複雑なので、塗装するのが大変難しい作業となります。
塗り込みすぎるとクリヤーが流れてしまい、塗料のかかりが甘いとザラついてしまいます。全力で集中して綺麗に塗装できました。
ここまで終わればほぼ終了です。全ての部品をコーティング作業で培った磨きの技術を駆使して更に綺麗な状態に仕上げてから全ての部品を取り付けして完成です。
こちらが完成写真です。全ての作業後にセラミックプロ9Hの施工をさせて頂き完成しました。ボデーが白くなったので樹脂パーツの黒い部分がより際立ってスポーティー感が増しているような気がします。塗装の塗り込みでしっかりと艶を出して、それを磨き上げて更に艶を出し、極めつけにセラミックプロでしっとり濡れた様な艶感を増しました。
こちらのお車はコーティングサイトでもご紹介させていただいています。
尚、こちらのお客様は「LaBOOn車とカー用品の研究室」というサイトを運営されていらっしゃいまして、もう既にサイトで丁寧にご紹介いただいております。是非ご覧ください。
この度は数あるショップから当店をお選びいただきまして誠にありがとうございました。
感謝・報恩・貢献 お客様とのご縁に心より感謝申し上げます。
三菱ランサーエボリューションの丁寧なオールペン、鈑金塗装のご用命は埼玉県さいたま市のドライバーズピットへ